薬局の守り神
 
   

 あなたは、ご存知でしょうか?

 昔、薬局の店頭に必ず置いてあったマスコットキャラクター。

 笑顔でお客様を出迎える彼等を、あなたはご存知でしょうか……。

 
   
rydeen
 


今でも古い薬局の前にはいらっしゃるかもしれません。

ひっそりと忘れられたような商店街の中の、

時代の流れから取り残されたような閉店した薬局の前に……。

 
   
solid state survivor
 


 彼の名前は、ケロちゃん。

 興和株式会社という会社のマスコットです。

 この“店頭カエル”は1963年(昭和三十八年)から

 薬局の店頭に置かれるようになりました。

  ※ケロちゃんは後にケロちゃんコロちゃんという2人組になり、

   ケロちゃんは女の子、コロちゃんは男の子という設定が付きます。

 
   
tong poo
 


設置され始めた翌年の1964年(昭和三十九年)の 

保積ペペ主演、コルゲンコーワのテレビCM 

『おめえヘソねえじゃねえか、ボク描いてやる』

というフレーズで大ヒット、

子供を中心に世間に認知されるようになりました。

しかしCMのマネをして落書きをする子供が後を断たなくなり、

4ヶ月でCMは放送を取り止めに……。

 
   
the end of asia
 


 そして、こちらはエスエス製薬のピョンちゃん。

 彼も薬局の店頭でよく見かけました。

 彼が立っている下の部分はロケット発射台を模していて、

 1960年代のアポロ計画の影響か、

「ウサギは月に縁がある」からだそうです。

 
   
cosmic surfin'
 


初代は1952年(昭和二十七年)から設置され始めた…… 

ということは、ケロちゃんよりこちらの方が早いのかな? 

しかし、おなじみの赤いウサギさんは1996年までで終わり、

デザインは刻々と変わり現在は9代目、

ピンク色のピョンちゃんに変わっております。

赤かったのは初代の赤ちゃんちゃんこが由来みたいです。

 
   
day tripper
 


 これらのマスコットが最近見なくなったのは、

 商店街が軒並み店を閉めてしまったことに拠るらしいです。

 日本の住宅事情とか、狭苦しい歩道の交通規則とか、

 そういったものもあるのかもしれません。

 少し寂しいですね。

 
   
radio junk
 


こうして2匹並べてみると、

昭和レトロな感じでとてもいい感じです。

ほら、あの薬局の薬っぽい香りが 

心なしか蘇ってきませんか? 

しませんね。

 
   
la femme chinoise
 


 机の上にフィギュアとして置いたら、

 立派なインテリアに早変わりです。

 誰ですか、邪魔だなんて言ってるのは?

 私です。

 
   
back in tokio
 

 amiiboは絶賛発売未定です。 
 
   

 

 

薬というものは物理的に私たちを治し、癒してくれる存在ですが、

副作用というようなケミカリック的なイメージでみられ、

工業製品、あまり過度に摂取すると逆に体に悪いという

悪いイメージも付きがちです。

そんな化学的イメージを少しでも和らげてくれた

彼ら『薬局の守り神』は

今もどこかの倉庫で我々に微笑んでくれているのかもしれません。

知らぬ間に、時代は流れて……。

 
※これらの画像は全てCGです。実際の人物・団体・建造物などとは一切関係ありません。
 
wave1400